TOP PAGE     中国によるチベット侵略・チベット人への人権侵害

 

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胡錦濤政権の情報統制・プロパガンダ

 

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胡錦濤政権の情報統制・プロパガンダ

 

1.情報統制

「報道の自由に対するプレデター」

国境なき記者団は、自由な報道に対して強度の干渉を加える権力者を世界に知らせるため、「報道の自由に対するプレデター」として三十数名の権力者をリストアップしている。この中に中国国家主席である胡錦濤も挙げられており、次のように説明されている。

胡錦濤は1980年代にチベットで反体制派を鎮圧した。現在ではプロパガンダと秘密警察を用いてメディアの自由な報道を妨害し、国内メディアから自由主義的な者を排除した。また人権活動家やフリーのジャーナリストを締め付け、外国のメディアと協調するジャーナリストの逮捕を命じた。

http://www.rsf.org/article.php3?id_article=6696

 

「インターネットの敵」

国境なき記者団は「プレデター」とは別に「インターネットの敵」として15カ国を発表している。この中にはもちろん中国も含まれ、次のように説明されている。

 

中国は、世界最大のインターネット市場になろうとしている。しかし共産党は、活発にウェブをコントロールし、躊躇なくブロガーを投獄している。中国は、すでに世界でもっとも、インターネット上の反体制者を投獄している国となっている。

中国には7220万のブログが存在するが、党は情報を統制下におくため、数10億ユーロを予算化している。

新しい法律により音声・動画のストリーミングもコントロールされている。

2007年9月から、インターネットカフェ利用者は、ジンジンとチャチャに出会うことになった。ジンジンとチャチャは利用者に規則を思い出させるために半時間ごとコンピュータスクリーンに現れるバーチャル警官だ。

2008年1月、ある男性はTianmen(湖北行政区)で、デモ参加者と警察との衝突を撮影するために携帯電話を使ったため、警官によって殴り殺された。

中国はインターネットを検閲するために、アメリカの会社から最先端のテクノロジーと設備を得た。これらによりインターネット上を流れる情報を読み取り、反体制的なキーワードを探知することができる。警察は、誰が立ち入り禁止のサイトを見ているのか、だれが危険な電子メールを送っているのかを知ることができる。

また中国政府は自己検閲を奨励している。これらの情報統制を切り抜けてタブーとされる事項についてインターネット上に掲載した場合にも、当局は様々な制裁を課すことができる。

政府はまた、キーワードを使ってフィルタリングし、禁止されている言葉を含む表現はインターネット上に掲載される前にモデレーターにより削除される。

ネット上で反体制的な主張をした者48人が転覆や秘密漏洩の罪で投獄されていることが確認されている。また2007年12月、政府系メディアは、当局が不適切な内容をオンラインで発表したとして868人を逮捕したと発表した。

なお少なくとも4人の投獄(懲役10年〜4年)はアメリカの会社であるYahoo!が中国政府に情報を提供したため起こっている。

http://www.rsf.org/article.php3?id_article=26134&Valider=OK

 

 

その他の情報統制

2008年3月のチベット動乱の後、中国内の衛星テレビでは、CNNやNHKなどの外国メディアの放送において、チベット関連のニュースが始まった途端、電波障害が起こり、画面が消え音声も消える。ネットでは、チベット騒乱と関連するキーワードが検索不可能となっている。

チベット自治区ラサへ電話をかけても、寺院などは「回線故障中」との録音が流れ、不通になっているところが多い。

中国当局は2008年3月の騒乱を、「一部の暴徒の仕業」と印象づける情報戦略を行い、チベット人と思われる若者が放火するなど暴れる映像や、ラサ入りした国営中央テレビの記者による親族を失った漢族被害者へのインタビューなどを繰り返し放映している。

 

 

なお、中国は愛国団体のウェブサイトを閉鎖させていたが、2005年以降復活させている。これらのサイトだけでなく、各種メディアでも戦時中の日本軍の侵略行為の特集を多く行うようになった。また、中国は各地に「旧日本軍がおこなった残虐行為」を掲示する記念館や博物館を大量に建設しはじめた。現在、中国では自由な言論を抑制しつつ、反日的な言論を助長する方向で言論統制が行われている。

 

 

 

2.プロパガンダ

中国政府は国内で情報統制をするだけでなく、他の国に対しても事実とは異なる情報を積極的に発表し、また他国の国内で様々な情報操作を試みている。

 

天安門事件(1989.6.4)に見る中国政府のプロパガンダ

中国共産党政府は当初「天安門事件による死者は319人」と発表した。しかし死傷者ついては数万人とする説もある。中国政府は徹底した報道管制を行ったため。事件に対する詳細な報道は殆ど困難となった。

しかし、天安門広場から完全にデモ隊が放逐された後に、人民解放軍の手によって死体が集められ、その場で焼却されたなど、中国共産党政府によって多くの死体が隠匿されたという報道もある。

中国共産党の遅浩田国防部部長は1996年にアメリカを訪れた際に、「天安門広場では1人も殺されなかった」と発言し、世界各国から反発を受けた。しかし、その後も、中国は、日本を含む多くの国において、中国共産党の御用ジャーナリストを使って「虐殺は存在しない」、「死者は数人にすぎなかった」、「負傷者は1人もいなかった」などの、自らの行った正式報告さえ翻すようなプロパガンダ を行っている。

 

聖火リレーの妨害や2008年3月に起こったチベット動乱についての中国政府の発表

欧州で聖火リレーが妨害された際に、中国政府は「チベット独立分子が茶番を演じ、ダライ集団の破壊的な本性を暴露した」と主張した。またパリでの聖火リレーにおいて、障害者の中国人女性ランナーの手からトーチを奪おうとする男(チベット国旗がデザインされた帽子をかぶったチベット人風の男)の写真が、中国各報道機関及びニュースサイトで広く報道された。

しかしこの件に関して、チベット国旗の帽子をかぶった男が中国の工作員であることをうかがわせる写真が発見され議論を呼んでいる。

http://jp.epochtimes.com/jp/2008/04/html/d32396.html

 

中国政府系報道機関(新華社通信)は2008年3月15日に暴動によるチベット人死者は10人と報道した。これに対し、チベット亡命政府は3月16日、ラサ市内で80人の遺体が確認されたことを明らかにした。負傷者は72人という。

また中国側は人を怪我させるような発砲はなかったと発表したが、当時、ラサにいた日本人観光客は一晩中、銃声が鳴り響いていたと証言している。

 

また中国政府は「ダライ・ラマが北京五輪のボイコットを呼びかけている」と主張しているが、ダライ・ラマは北京五輪のボイコットは望んでいない趣旨のコメントを発表している。

 

 

国境付近でのチベット僧狙撃

2006年9月30日に、中国の国境警備隊は、ダライ・ラマを訪ねるため国境付近のヒマラヤ山脈を歩いていたチベット僧ら数十人に対し、銃撃を加えた。先頭と後方部を歩いていた2名(うち1名は15歳の少年)が死亡、数十名らが行方不明となった。

中国の政府系報道機関はこの事件について「幾度もチベットに戻るように警告したが、チベット僧が攻撃してきたので撃った」と報道した。しかし偶然、ヨーロッパの登山家が事件の様子を撮影しており、そこでは、ただ列をなして歩いているだけのチベット僧が、まるで狩りをするかのように、何の警告もなく、狙撃されていた。

http://www.youtube.com/watch?v=iqDPxRhMvCo

 

日本国内における報道への干渉

ジャーナリストの勝谷誠彦氏は「ムーブ(ABCの番組)でチベット問題を扱ったところ、ABCが中国の環境汚染に関する取材を行う際、中国側がビザをおろさないと言ってきた」とコメントしている。

「ピンポン(TBSの番組)」で福澤朗アナウンサーは「中国から報道規制をせよとの指示が来ている」と明言した。